東海大学付属大阪仰星高等学校中等部、東海大学付属大阪仰星高等学校

校長のひと息だより

変化の時代に求められるチカラって?

2026.05.20

昨日,リクルートEd-tech総研所長であり,東京学芸大学・関西国際大学の客員准教授を務めておられる森崎晃先生をお招きし,これからの社会に求められる力と学校教育について教員研修を行いました。

森崎先生は,銀行やIT企業など民間企業での経験を経て教育分野に関わられ,ICT教材の開発や,不登校や困窮世帯の子どもたちへの学習支援事業の立ち上げなどにも携わってこられた方です。ビジネスと教育の両方の現場を知る立場からのお話には,大きな説得力がありました。

講演の中で特に強く印象に残ったのが,「49%の仕事がなくなるという話は,もう遠い未来ではない」という言葉です。

「10年から20年後には,日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替される時代が来る」と,野村総研とオックスフォード大学によって発表されたのは2015年12月。気がつけば,すでに約10年が過ぎています。生成AIの普及も進み,仕事の一部がすでに置き換えられ始めているという現実に,正直なところ改めて驚かされました。

また,大学入試や企業が求める人材像も大きく変化しており,これからは知識の量だけでなく,「思考力・判断力・表現力」や「主体性・協働性」といった力がより重視される時代であることが示されました。

こうした話を聞きながら,僕自身の若い頃を思い出しました。大学卒業後,民間企業に4年間勤務していましたが,その頃は「遅くまで残ってなんぼ」という空気が当たり前のようにあり,平成に一番売れたビジネス本として紹介された「上司が鬼とならねば部下は動かず!」に出てくるような上司がゴロゴロいました(早く会社を出るとよく嫌味を言われたものです)。

しかし今は,ただ与えられたことをこなすだけでは通用せず,自分で課題を見つけ,考え,試行錯誤しながら解決していく力が求められる時代です。そのために学校でできることとして,「個別最適な学び」と「協働的な学び」を大切にしながら,生徒一人ひとりが主体的に学び続ける姿勢を育てることの重要性を,改めて認識しました。

普段の学校勤務の中では,こうしたビジネスの現場を実感する機会は多くありません。だからこそ今回の研修は,社会の変化をリアルに感じる貴重な機会になったと感じています。先生方にとっても,日々の授業や関わりを少し立ち止まって見直すきっかけになったのではないでしょうか。

これからの時代を生きる子どもたちに必要な力は何か。我々教員自身も学び続けながら,教育のあり方を考えていきたいと思います。

…とはいえ,「遅くまで残ってなんぼ」という価値観だけは,そろそろ笑い話にしていきたいところです。