うさぎ跳びが絶滅して,体育はステキになった
2026.04.22
昔の日本の体育は,「走れ!」「頑張れ!」「根性だ!」――体を鍛えることが何よりも重視されていました。僕自身も,スポーツ医科学の発達により,今では百害あって一利なしとまで言われている「うさぎ跳び」をやらされていた世代です。当時は,それが“正しい指導”だと信じられていました。
しかし今,体育の目的は大きく変わりました。現在の学習指導要領では,体育は「生涯にわたってスポーツに親しむ力を育てる教科」へと舵を切っています。速さや強さを競うよりも,「どう考えたか」「どう関わったか」を大切にする体育です。
評価の考え方も変わりました。かつては,速い人,強い人,記録の良い人が評価されがちでしたが,今は,工夫して取り組んだか,仲間と協力できたか,自分なりに課題と向き合えたかといった過程も評価されます。「運動が得意かどうか」だけで決まらないのが,今の体育です。
東海大学体育学部には,「体育学科」「競技スポーツ学科」「武道学科」に加え,「生涯スポーツ学科」「スポーツ・レジャーマネジメント学科」が設置されています。
生涯スポーツ学科では,年齢や体力,経験の違いを越えて,誰もがスポーツを楽しみ続けられる社会を支えることを目指し,「する」だけでなく「教える」「支える」視点から学びます。
一方,スポーツ・レジャーマネジメント学科では,スポーツイベントや施設運営,観光や地域活性化などを題材に,スポーツを社会につなぐ力を養います。
本校でも,高校3年・総合進学コース文系の学校設定科目として「生涯スポーツ」を設けています。到達目標はシンプルです。
① スポーツの歴史や文化を学び,生涯にわたって親しんでいこうとする姿勢を育てること。
② 体力や性別,経験に応じてルールを柔軟に考え,「どうしたら誰もが楽しめるか」を工夫できるようになること。
男女共修で,座学と実技を組み合わせながら学んでいます。

写真は,本日5限に行われた3年6組「生涯スポーツ」の授業の様子です。今日はフライングディスクのパスの基本動作を練習していました。今後は「ディスクゴルフ」,さらには「アルティメット」へと発展させながら,年齢や性別,体力にあまり左右されず,誰もが楽しめるスポーツのありかたについて学んでいく予定です。
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そもそも「体育」とは,Physical Education(身体教育)に由来する言葉です。体を鍛えることだけでなく,自分の身体と一生どう付き合い,どう生かしていくかを学ぶ教育だと言えるでしょう。
体力や根性に自信のある人だけでなく,運動が得意ではない人にとっても,人生とスポーツを豊かに結びつける発想が得られる。
そんな体育ってステキですね。